2025-07-01
BPaaS
バックオフィス最適化
クラウドサービス活用
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SaaS、IaaS、PaaS、BPaaSの違いとは?中小企業の採用効率化への活用法

「また今月も採用がうまくいかなかった」「人事担当者が忙しすぎて、他の業務に手が回らない」「せっかく良い人材を見つけても、選考プロセスで逃してしまう」——こんな課題を抱えている経営者や人事責任者の方は少なくないでしょう。

特にスタートアップや中小企業では、人事専任の担当者がいないケースも多く、採用業務を兼務している管理職の方が「どうすれば効率的に採用活動を進められるか」と頭を悩ませているのが現実です。そんな中、近年注目されているのがクラウドサービスの活用です。

SaaS(Software as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、そして最近ではBPaaS(Business Process as a Service)という言葉を耳にする機会も増えてきました。しかし、これらの違いを正確に理解し、自社の採用課題解決にどう活用できるかを把握している経営者はまだ多くありません。

本記事では、これらクラウドサービスの基本的な違いを整理した上で、特に採用業務における活用方法と効果について詳しく解説します。「採用の属人化から脱却したい」「限られたリソースで最大限の採用成果を上げたい」と考えている方にとって、具体的な改善アクションのヒントを提供します。

SaaS、IaaS、PaaS、BPaaSの基本概念と違い

まず、これら4つのサービス形態の基本的な違いを理解しましょう。

IaaS(Infrastructure as a Service)

インフラストラクチャ・アズ・ア・サービスは、ITインフラの基盤部分をクラウドで提供するサービスです。Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)が代表例で、物理的なサーバーを購入・管理する必要がなく、必要な分だけリソースを利用できます。

PaaS(Platform as a Service)

プラットフォーム・アズ・ア・サービスは、アプリケーション開発・実行環境をクラウドで提供するサービスです。Heroku、Google App Engineなどが代表例で、開発者はインフラの管理を気にせず、アプリケーション開発に集中できます。

SaaS(Software as a Service)

ソフトウェア・アズ・ア・サービスは、完成されたアプリケーションをクラウド経由で提供するサービスです。Google Workspace、Microsoft 365、Salesforce、Slack、Zoomなど、日常的に使用しているクラウドサービスの多くがSaaSに該当します。

BPaaS(Business Process as a Service)

ビジネスプロセス・アズ・ア・サービスは、特定の業務プロセス全体をクラウドで提供するサービスです。単なるツールの提供ではなく、業務の設計・実行・改善まで含めたトータルサポートを行います。人事領域では、採用代行、給与計算代行、研修運営代行などが該当します。

採用業務における各サービスの活用例

メリット デメリット・注意点
素早い導入
ソフトウェアを自社サーバーへインストールする手間が不要ですぐ使い始められます。初期設定も簡単で、短期間で導入が可能
自社データのセキュリティ
クラウド上に機密データを預けることになるため、提供企業のセキュリティ対策への信頼性が重要です。一般的に大手SaaSベンダーは高度なセキュリティ対策を講じていますが、それでも万全ではない点は認識すべきです。
ユーザー側の操作ミスによる情報漏洩リスクなども残ります。
場所を選ばず利用可能
インターネット環境さえあれば社内外どこからでもアクセスできます。リモートワーク中でもオフィスと同様に業務が行えます
仕様変更への対応
SaaSではサービス提供者が機能改善やUI変更のアップデートを随時行います。その結果、操作感や画面が予告なく変わる可能性があります。ユーザー企業は変更に合わせた社員への周知やトレーニングが必要になる場合があります。
常に最新バージョン
アップデートはベンダー側で自動適用されるため、常に最新の機能やセキュリティ対策が適用された状態で利用できます
他サービスへの乗り換え難易度
一度SaaSを導入すると、その環境に社内のデータが蓄積され社員も使い慣れていきます。他のサービスに切り替えるのが難しいケースもあります(データ移行の手間や再教育のコストなど)。サービス停止や提供元の撤退に備え、信頼性の高いベンダーを選ぶことや、データエクスポートの方法を確認しておくことが重要です。
スモールスタートとコスト柔軟性
ユーザー数や期間に応じたサブスクリプション契約が多く、必要な範囲で契約できるため初期投資を抑えやすいです。使わなくなれば解約・縮小もしやすく、無駄なコストを削減できます。
管理負担の軽減
サーバー管理やソフトウェア保守をサービス提供側が担うため、社内のIT人員の負担が減り、本来の業務に注力できます。

SaaSの採用業務への活用

採用業務で最も身近な形態です。多くの企業が既に何らかのSaaSツールを利用しているでしょう。

主な採用関連SaaSツール:

  • ATS(Applicant Tracking System): 求人管理・候補者管理
  • タレントアセスメントツール: 候補者のスキル・適性評価
  • ビデオ面接システム: オンライン面接の実施
  • 求人サイト: 求人掲載・応募者獲得
  • スケジュール調整ツール: 面接日程の自動調整

PaaSの採用業務への活用

自社独自の採用システム開発に活用されます。既存のATSでは対応できない特殊な要件がある場合、迅速にカスタムシステムを構築できます。特定の職種に特化した適性検査システムなどの開発が可能です。

BPaaSの採用業務への活用

採用プロセス全体の外部委託を意味します。単なるツールの提供ではなく、採用戦略の設計から実行、改善まで一貫して支援します。

BPaaSで委託できる採用業務:

  • 採用要件定義・ペルソナ設計
  • 求人作成・媒体運用
  • 応募者対応・スクリーニング
  • 面接日程調整
  • 候補者フォロー
  • 採用データ分析・改善提案

中小企業の採用課題とクラウドサービス導入のメリット

中小企業の採用課題

1. 属人化による不安定性 採用業務が特定の担当者に依存しており、その人が不在になると業務が停滞してしまいます。面接の評価基準も担当者によってバラつきがあり、一貫性のある採用判断が困難です。

2. 業務効率の低さ 手作業での候補者管理、Excel表での進捗管理、メールでの個別対応など、非効率な業務が蓄積されています。本来重要な「候補者との対話」や「採用戦略の検討」に十分な時間を割けていません。

3. リソース不足 人事専任の担当者がいない、または少数の担当者が複数の業務を兼務している状況では、採用活動に十分なリソースを投入できません。結果として、優秀な候補者を逃してしまうケースが頻発します。

クラウドサービス導入のメリット

1. 標準化・システム化による安定性向上 採用プロセスが標準化され、担当者による品質のバラつきが軽減されます。評価基準の統一や進捗管理の自動化が可能になります。

2. 業務効率の大幅な改善 手作業で行っていた業務の多くが自動化され、担当者はより付加価値の高い業務に集中できます。応募者への自動返信、面接日程の自動調整、候補者データベースの自動更新などが実現できます。

3. 専門性の高いサービス活用 BPaaSを活用すれば、社内にない専門知識やノウハウを外部から調達できます。採用のプロフェッショナルが蓄積してきた知見を活用することで、高度な採用活動が可能になります。

BPaaSが注目される理由と採用への応用

メリット デメリット・注意点
設備投資の削減
データセンターや物理サーバーを自前で設置・維持する必要がなくなり、ハードウェア調達コストや設置スペース、電源・空調などの経費を削減できます。必要なインフラをクラウドで借りるため、初期投資を大幅に抑えられます。
運用管理の負担
IaaSはインフラまでが提供範囲であり、その上で動くOSやミドルウェア、アプリケーションの運用・保守はユーザー側で継続して行う必要があります。パッチ適用や障害対応などの業務負荷はオンプレミスに近く、専門知識を持つ人材が不可欠です。
スケーラビリティの高さ
利用状況に応じてサーバー台数やCPUパワー、ストレージ容量を柔軟に増減できます。急な負荷増大や事業拡大にも迅速に対応でき、不必要になれば縮小してコスト調整も容易です。
コスト管理
使った分だけ課金されるモデルですが、安易にリソースを増やしすぎたり常時起動していると、オンプレ以上にランニングコストが高くなる恐れがあります。複数年利用すると割高になるケースもあり、適切なリソース管理とコスト予測が求められます。
環境構築の自由度
提供されるのはインフラ基盤のみのため、ユーザーは好きなOSやミドルウェア、開発言語などを選択して自社に最適なシステム環境を構築できる自由度があります。他社と異なる独自のシステム要件があっても、IaaS上に再現しやすい点が魅力です。
ネットワーク依存
クラウドを利用するためインターネット回線への依存があります。ネットワーク障害や通信遅延が発生するとサービスにアクセスできなくなったり性能低下が起こる可能性があります。専用線やVPNで接続するなど信頼性向上策の検討も必要です。
迅速なリソース提供
新たにサーバーが必要になった場合でも、クラウド上で数分〜数時間程度で準備できます。物理サーバーを購入し設置する場合と比べてサーバー調達・設定時間が約1/10に短縮した例もあり、ITインフラ準備のリードタイムが飛躍的に短くなります。
セキュリティと責任共有
IaaS事業者はデータセンターの物理的なセキュリティやハードウェア障害対策を担いますが、OSやアプリのセキュリティ対策はユーザー側の責任となります。ファイアウォール設定やアクセス権限管理、データ暗号化など自社で講じるべき対策があります。
可用性・信頼性
大手IaaS事業者(Amazon Web ServicesやMicrosoft Azure等)のデータセンターは冗長構成やバックアップが強化されており、自社運用より高い稼働率・障害対策が期待できます。災害対策(BCP)として他地域のデータセンターを利用することも容易です。
レガシー資産との統合
既存のオンプレミス資産とのハイブリッド構成にする場合、ネットワーク接続やシステム統合に技術的検討が必要です。クラウドと自社システムとの連携を考慮した設計を行わないと、パフォーマンス低下や運用の複雑化を招く可能性があります。

BPaaSが注目される背景

1. 業務の複雑化と専門性の高まり 採用業務は単純な事務作業ではなく、マーケティング、心理学、データ分析など多岐にわたる専門知識が必要です。候補者体験の向上、ダイバーシティ採用、リファラル採用など、高度な戦略的思考が求められています。

2. 人材不足の深刻化 専門性の高い人事担当者の確保が困難になっており、外部の専門家のノウハウを活用することで、この課題を解決できます。

3. 成果の可視化ニーズ 経営層からの「採用ROIの向上」「データドリブンな採用」への要求が高まっており、BPaaSでは、KPIの設定から効果測定まで一貫して支援するため、成果の可視化が容易になります。

採用BPaaSの具体的な活用シーン

1. 採用戦略の設計段階 事業計画に基づいた採用計画の策定、ターゲットペルソナの明確化、採用チャネルの最適化戦略、競合他社分析と差別化戦略を支援します。

2. 採用実務の実行段階 求人コンテンツの作成・最適化、複数媒体での求人掲載・運用、応募者の一次スクリーニング、面接スケジュールの調整・管理を代行します。

3. 採用プロセスの改善段階 各段階での離脱率分析、候補者フィードバックの収集・分析、採用コストの最適化提案、採用プロセスの継続的改善を実施します。

自社に最適なサービス選択のポイント

現状分析のチェックポイント

1. 採用業務の現状把握 月間の応募者数と採用数、採用にかかる平均期間、現在利用しているツール・システム、採用業務に関わる人数と工数を確認しましょう。

2. 課題の優先度整理 最も解決したい課題は何か、緊急度と重要度による優先順位、予算制約と期待する効果を明確にします。

サービス形態別の選択基準

SaaS選択のポイント

  • 現在の業務フローをあまり変更せずに効率化したい
  • 特定の機能をピンポイントで改善したい
  • 初期投資を抑えて段階的に導入したい

BPaaS選択のポイント

  • 採用業務全体を抜本的に改善したい
  • 社内にノウハウが不足している
  • 短期間で成果を上げる必要がある
  • 戦略的な採用活動を展開したい

導入効果の測定方法

効率性指標: 採用プロセスの短縮期間、採用担当者の工数削減率、応募者対応の自動化率

品質指標: 内定承諾率の向上、入社後の定着率改善、候補者満足度の向上

コスト指標: 採用単価の削減、媒体費用の最適化、内製化による長期的コスト削減

導入時の注意点と成功のためのステップ

メリット デメリット・注意点
迅速な開発開始
開発に必要なサーバーやミドルウェア類があらかじめセットアップ済みのため、環境構築に時間を取られません。申し込んですぐに開発をスタートでき、新サービスの立ち上げスピードが向上します。
カスタマイズの制約
提供されたプラットフォーム環境の範囲内で開発する必要があるため、特殊なミドルウェアやOSのバージョン指定などはできない場合があります。環境に強く依存したシステムだと、PaaS上に再現できない可能性があります。
インフラ管理不要
OSのアップデートやミドルウェアのパッチ適用、バックアップなどはPaaS提供者側で行われます。システム管理者によるインフラ運用作業が大幅に削減され、開発者はコード作成に専念できます。結果として人為ミスの減少や運用コスト削減にもつながります。
ベンダーロックイン
特定クラウドのPaaS機能(例:データベース、通知サービス等)を組み込むと、そのクラウドに依存した構成になります。別のクラウドやオンプレミスに移行しづらくなるベンダーロックインに注意が必要です。
自動スケールアウトと安定稼働
多くのPaaSは負荷に応じたリソース自動拡張やロードバランシング機能を備えています。アクセス集中時でもサービスが止まりにくく、必要に応じてスケールアップ/ダウンするため性能とコストの最適化が図れます。
コスト構造の理解
PaaSは便利な反面、利用リソースに応じた課金が細かく設定されています。自動スケールに任せきりにすると予想以上にコストが発生することもあり、適切な上限設定やモニタリングが重要です。
高可用クラスタ環境も容易
基盤は信頼性の高いクラウドインフラ上で動くため、本番環境の可用性が確保されます。また、開発・テスト用の環境をボタン一つで複製できるなど、複数環境の準備も容易です。これによりリリース前の検証がスムーズになり、品質向上に役立ちます。
サービス障害時の影響
PaaS基盤で障害が起きた場合、自社では対応できず復旧を待つしかありません。インフラ部分を任せる分、自社でコントロールできる範囲が限られるため、重要システムではサービスレベル合意(SLA)の確認が欠かせません。
他サービスとの連携
PaaS提供会社はデータベースサービスや認証基盤、AIサービスなど周辺サービスをクラウドで提供しているため、同じプラットフォーム上で統合的に利用できるほか、機能追加や他システムとの連携がしやすいです。
学習コスト
新しいPaaSを導入する際、開発者はそのプラットフォーム特有のサービスや設定方法を学ぶ必要があります。初期段階での教育コストやノウハウ蓄積も考慮しましょう。

導入時の注意点

1. 段階的な導入を心がける 全ての業務を一度に変更するのではなく、特定の職種や部署から始めて、成功事例を作ってから全社展開を図りましょう。

2. 現場の巻き込みを重視する 導入前に現場の意見を十分に聞き、懸念事項を解消しておくことが必要です。

3. データ移行とセキュリティ対策 既存データの移行方法と、新しいシステムのセキュリティ対策を事前に確認しておきましょう。

成功のためのステップ

Step 1: 準備段階(1-2ヶ月) 現状分析と課題の整理、導入目的とKPIの設定、予算と導入スケジュールの策定、社内関係者への説明と合意形成を行います。

Step 2: 導入段階(2-3ヶ月) サービス選定と契約、初期設定とカスタマイズ、担当者向けトレーニング、テスト運用とフィードバック収集を実施します。

Step 3: 定着段階(3-6ヶ月) 本格運用開始、定期的な効果測定、現場からのフィードバック収集と改善、成功事例の社内共有を行います。

Step 4: 改善段階(6ヶ月以降) KPIに基づく効果分析、追加機能の検討と導入、他部署への展開検討、長期的な改善計画の策定を進めます。

まとめ

本記事では、SaaS、IaaS、PaaS、BPaaSの違いと、それぞれの採用業務への活用方法について解説しました。

特に中小企業の採用課題解決において、BPaaSの活用は非常に有効です。限られたリソースで最大限の成果を上げるために、専門性の高い外部サービスを活用することで、採用の質と効率を同時に向上させることができます。

重要なのは、自社の現状を正確に把握し、課題の優先順位を明確にした上で、最適なサービス形態を選択することです。そして、段階的な導入を通じて、組織全体の採用力向上を図ることが成功の鍵となります。

採用業務の効率化・標準化は、単なるコスト削減ではありません。優秀な人材を確実に獲得し、組織の成長を加速させるための戦略的投資として捉えることが大切です。

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メリット デメリット・注意点
ノンコア業務の負担軽減
経理・人事・総務などコア事業以外の定型業務を外部に任せることで、社内リソースを本業に集中できます。慢性的な人手不足解消や生産性向上につながります。
セキュリティリスク
業務データや個人情報を外部企業と共有するため、情報漏洩リスクに注意が必要です。不適切な取り扱いがないよう、契約上の機密保持や監査体制の確認が重要です。
コスト削減と柔軟性
自社でシステムや人員を抱えずに済むため、設備投資や人件費を削減できます。また必要に応じてサービスのスケールアップ・ダウンが容易で、事業成長や季節変動にも柔軟に対応可能です。
依存度の増加
業務運営を外部に頼る形になるため、サービス提供企業への依存度が高くなります。万一提供元でトラブルが発生した場合、自社業務が停止する恐れがあり、リスク分散策(バックアップ手順の用意など)を検討しましょう。
専門知見の活用
BPaaS提供企業は特定業務に特化した専門チームやノウハウを持っています。高度な知識・スキルを備えたプロに任せることで、業務品質の向上や効率化が期待できます。自社内では得られない最新ツールや自動化技術(RPAやAI等)も活用してくれる場合があります。
制御範囲の限定
業務プロセスの進め方や使用するシステムはサービス提供企業に委ねる部分があります。自社固有のカスタマイズ要求には対応が難しく、自社でのコントロールや変更が利きにくい点があります。契約前にサービス内容や範囲を十分に合わせることが大切です。
スピーディな業務立ち上げ
新たな業務プロセスを自社で構築する場合と比べ、サービスを契約すれば短期間で業務運用を開始できます。標準化されたプロセスに乗せることで、ルール策定などの時間も削減できます。
移行とロックイン
一度BPaaSに委託した業務を再度内製化したり他社に切り替えたりするのは簡単ではありません。契約終了時の引き継ぎ方法やデータ返却について事前に取り決めておかないと、他への移行が困難になる場合があります。長期契約の場合は特に留意してください。
サービス改善提案
アウトソーシング先は複数企業の業務を扱う中でベストプラクティスを蓄積しています。業務プロセスそのものの改善提案や最新テクノロジー導入提案を受けられることもあり、業務改革の推進にも寄与します。
コミュニケーションコスト
業務を委託するといえど、指示出しや定期的な打ち合わせ、成果レビューなど提供企業との連携は必要です。密なコミュニケーションを怠ると期待した成果が得られない可能性もあるため、窓口担当を明確にしておきましょう。

サービスモデル 提供内容 利用企業側の管理範囲 代表的な例・サービス
SaaS 完成したアプリケーションをインターネット経由で提供。
ベンダーがインフラからアプリまで管理
ユーザーはソフトを利用し、初期設定や自社データの管理のみを実施。
インフラやアプリ保守は不要。
例:Salesforce(CRM)、Microsoft 365、Google Workspace など
PaaS アプリ開発・実行環境(OSやミドルウェア含む)をクラウド上で提供。
開発に必要なプラットフォーム一式を利用可能
ユーザーは自社アプリケーションの開発・運用に専念し、インフラやミドルウェアの維持管理は不要。 例:AWS Elastic Beanstalk、Google App Engine、Azure App Service など
IaaS 仮想サーバーやストレージ、ネットワークなどのインフラ資源を提供。
必要な構成を選んで利用可能。
ユーザーがOSやミドルウェアをインストールし、アプリケーションを実行・保守。
インフラ以外の運用管理を担う。
例:Amazon EC2(AWS)、Azure Virtual Machines、Google Compute Engine など
BPaaS 特定の業務プロセスを、人のサービスとITツールを組み合わせクラウド経由で包括的に提供。
業務アウトソーシングのクラウド版。
ユーザーはアウトソーシングした業務の成果物を受け取り、自社のコア業務に注力。
プロセス運営そのものは委託先が実施。
例:給与計算代行サービス、人事・採用支援サービス など
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