2025-08-03
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日本国内の主要EQテストサービス比較

EQ(感情知能)は、候補者のカルチャーフィット判定だけでなく、リーダー育成やメンタルヘルス予防、離職防止、組織活性化まで多様なシーンで企業成果を左右する指標です。本記事では、無料の簡易診断からAI搭載の最新クラウド型、採用特化型、研修一体型まで、日本国内で導入が進む主要EQテスト6サービスを、価格・測定範囲・提供形態・導入実績とともに比較し、目的別に最適な選択肢を解説します。採用フローの歩留まり向上、リーダー候補の発掘、メンタル不調の兆候検知、在宅勤務下のチームエンゲージメント測定など、ケーススタディを交えながら活用ノウハウも紹介します。

日本国内の主要EQテストサービス比較

日本国内で提供されているEQ(心の知能指数)テストサービスを、人事・組織開発・採用・育成といった企業での活用適性に着目して比較し、以下の表にサービスごとの価格、測定内容、提供形態、導入実績・活用領域を整理。

サービス名(提供元) 価格(税込) 測定内容(設問数・理論背景等) 提供形態(受検方法・管理機能) 導入実績・活用領域
ZenTest
(株式会社ZenX)
※現在 企業向け特別プラン:¥10,000/月(100名まで無料)
通常月額:¥50,000(通常プラン)
独自開発のアセスメントAI分析。候補者にEQテスト(心の知能指数のプロファイル)を実施。
新機能で候補者基本情報の入力だけで高精度なEQレーダーチャート+解説レポートを自動生成。
AIが文章を学習・解析して行動特性を推定し、強みや適職サジェストを提示。
今後はEQ以外にAIリテラシー(AIQ)・情熱(PQ)等の複合指標にも拡張予定。
オンライン(クラウドサービス)。候補者タスクへAI即時分析レポートを出力。
エージェント(人材紹介会社)向けに専用アカウント/管理者画面を提供(ZenTest for Agency)。
企業向けはサブスクリプション提供。
導入拡大中(EQデータ数万件を蓄積)。もともと人材紹介のマッチング支援として開発し、
履歴書・職務経歴書では見えにくい潜在能力やEQ特性を可視化
現在は企業の人事向けにも提供を拡充。書類通過率向上・面接工数削減に寄与。
内定者オンボーディング支援、将来的には社内配置・育成への展開も計画。
無料EQ適性検査
(株式会社シーズ)
無料(お試し版)
※製品版は要問い合わせ
25問(製品版は250問)の簡易診断。
EQ理論に基づく行動傾向を数値化し、回答者の強み・弱み理想とのギャップを示す。
オンライン(Web受検)
※製品版はでも実施可
個人向けの自己診断(無料公開)。
企業では製品版(EQI検査)を人材育成や適性把握に活用可能。
EQI行動特性検査
(アドバンテッジ リスク マネジメント)
要問い合わせ(受検1名あたり数千円規模
※例:個人向け ¥6,600
EQ理論ベースでEQ発現度合い行動面から測定。
3つの知性/8つの構成要素を数値化し、詳細なレーダーチャートを提示。
目安所要30分
オンライン or 紙(Web受検または冊子回収)。
PDFレポート提供。管理者向けの集計・組織分析サービスあり。
導入実績豊富(1,500社超・25万人以上が受検)。
人材採用・内定者フォロー・育成、管理職研修や組織診断にも活用。
アドバンテッジ インサイト
(アドバンテッジ リスク マネジメント)
¥4,840/人(Web受検、10名〜)
紙版 ¥5,445/人(10名〜)
国内開発・国内標準化済み。知的能力(言語・理・数理)を測定。
併せてコンピテンシーストレス耐性を評価。
結果は総合評価/発揮傾向/ストレス耐性など、内省に使えるフィードバック10〜15ページ
オンラインまたは紙(選択可)。受検はWeb回答。
管理画面で即時結果出力、オプションでフィードバックレポートや面談者向けシートを提供。
採用適性検査で幅広く利用。新卒・中途採用でEQ・コンピテンシー重視の意思決定に活用。
内定者フォロー/入社後の配属・育成計画にも応用。
メンタルヘルス/オンボーディング時のストレス耐性評価にも活用。
Arealme EQテスト
(Arealme)
無料 10問のカジュアル診断。所要4分前後
スコアは200点満点・平均100点の簡易自己診断用。
オンライン(Webサイト)。ログイン不要で無料受検。
結果はSNS共有可。企業向けの管理機能はなし
個人向け(ゲーム的診断コンテンツ)。
企業利用の実績・信頼性は参考程度

※上記「価格」は公表情報や提供例に基づき記載。実際の導入費用は契約形態や受検人数によって異なります。

以下、各サービスの特徴と企業活用の適性について、もう少し詳しく解説します。

ZenX「ZenTest(ゼンテスト)」

ZenTestは、スタートアップ企業である株式会社ZenXが提供する次世代型のEQ活用プラットフォームです。当初は人材紹介会社のエージェント向けサービスとして開発され、現在は企業の人事担当者にも展開が始まっています。ZenTest最大の特徴は、AI(人工知能)技術とEQテストを組み合わせ、採用から配属・育成まで人材マッチングをトータル支援しようというコンセプトにあります。具体的には、候補者に独自のオンラインEQテストを受けてもらい、その膨大なEQデータ(数万件規模)を学習した生成AIが、候補者ごとのEQレーダーチャートと詳細な分析レポートをわずか数十秒で自動生成します。レポートには候補者の強み・弱みの解説、面談で深掘りすべきポイント、さらには過去の内定データとの比較に基づく「向いている業界・職種」のサジェストまで含まれます。いわば従来は人材コンサルタントの勘に頼っていたマッチングの部分を、データとAIで見える化・自動化したサービスです。

ZenTestの提供形態はクラウドサービスのサブスクリプションモデルです。通常プランは月額5万円程度ですが、現在は企業向けに月額1万円で最大100名まで無料利用できる特別プランを提供しています。。人材紹介エージェント向けには「ZenTest for Agency」を開始しており、業界全体でEQ指標を普及させようという戦略が打ち出されています。

企業での活用適性について述べると、ZenTestは特に採用面接や配属ミスマッチの防止に威力を発揮します。履歴書や職務経歴書からは読み取りづらい候補者の人間的資質や潜在能力を客観データで補完できるため、短時間の面接でも深い対話が可能になるとされています。実際、ZenTest導入企業では「面接前の準備や社内共有に費やす時間が大幅削減できた」「候補者への最適ポジション提案までのリードタイムが短縮した」といった効果が表れているようです。さらに入社後も、得られたEQデータをもとにオンボーディング支援(メンター配属や研修計画)に活かしたり、社内公募・配置転換時の参考資料にしたりと、幅広い応用が見込まれます。もっともサービス自体が新しいため、他の老舗EQ検査と比べ導入企業数はこれからといった段階ですが、HRテック業界では注目度の高いソリューションです。

ZenTestは職務経歴データとEQデータの融合により、「EQビジネスプロフェッショナル」という人材観点を提唱しています。同社はこの概念を業界標準に高めたい意向で、関連書籍の出版や情報発信にも力を入れています。将来的にはEQのみならずAIリテラシー(AIQ)や好奇心指数(CQ)なども統合したタレントアセスメント基盤へと進化させる計画も公表されており、企業の採用・人材配置の在り方に革新をもたらすポテンシャルを秘めています。

株式会社シーズ「無料EQ適性検査」

【株式会社シーズ】が提供する「無料EQ適性検査」は、その名の通り誰でも無料で試せるEQ診断サービスです。25問の簡易設問に答えるだけで、自身のEQ(心の知能指数)の傾向を手軽にチェックできます。設問はEQ理論を背景に作られており、自分が普段とりがちな行動パターンから感情面の強み・弱みを測定します。結果レポートでは、自分の長所や短所、理想像とのギャップについてフィードバックが得られ、「自己開発アドバイス」も提示されます。

お試し版はあくまで簡易診断ですが、製品版は全250問にも及ぶ本格的なEQ検査であり、精度と詳細度が飛躍的に高まります。シーズでは企業向けにこの製品版(後述の「EQI行動特性検査」と同等)を提供しており、受検者の行動特性を網羅的に分析することが可能です。無料版自体は個人の自己診断用途が中心で、企業の選考や研修ツールとしてそのまま使われるケースは少ないでしょう。しかし、採用候補者や従業員に手軽に自己分析してもらう入口として活用したり、興味喚起のため社内イベントで試してもらったりといった用途は考えられます。企業で本格的にEQを評価・活用する場合は、無料版で関心を持った上で詳細な有料版に進む形が望ましいでしょう。

アドバンテッジ リスク マネジメント「EQI行動特性検査」

アドバンテッジ リスク マネジメント(ARM)社が提供する「EQI®行動特性検査」は、日本におけるEQテストの定番ともいえる存在です。EQ理論の提唱者サロベイ&メイヤーの枠組みに沿って、個人のEQ発揮度合を詳細に数値化できる検査であり、その結果は「3つの知性」「8つの能力」「24の素養」という多層的なモデルで表現されます。受検者はおよそ30分間で数十~百問規模の設問に回答し、自身の感情能力の強み・弱みがレーダーチャートと偏差値でフィードバックされます。例えば「自己認識力」「ストレス対処」「共感力」といった能力ごとのスコアが示され、どの要素を伸ばすべきか自己理解が深まります。

EQI検査はオンライン受検にも対応しており、Web上で回答後、即時に結果レポートをPDFで取得することも可能です(従来は紙質問冊子+郵送採点にも対応)。ARM社自身がこの検査を用いた人材育成研修サービスを展開している他、株式会社シーズをはじめ各地域の人材コンサル会社がライセンス提供しています。例えばヒューマンブレークスルー社では個人向けに1人¥6,600でWeb受検+結果フィードバックPDFのサービスを販売しています。企業向けにはボリュームディスカウントや年間契約もあるため、具体的費用は利用人数や契約形態によって異なります。

このEQI検査は導入企業数1,500社・延べ25万人以上の受検実績があり、日本企業における標準的なEQ人材データベースが構築されています。活用領域も広く、新卒・中途採用時の適性検査から、管理職研修における自己理解ツール、従業員のメンタルヘルス研修組織風土診断まで多岐にわたります。総じて汎用性が高く信頼性のあるEQアセスメントであり、企業規模・業種を問わず人材のEQを客観視したい場面で活用されています。

アドバンテッジ リスク マネジメント「アドバンテッジインサイト」

同じくARM社が提供する「アドバンテッジ インサイト」は、採用選考に特化した適性検査パッケージです。最大の特徴は、国内で唯一EQを測定できる採用試験である点に加え、メンタル不調リスク(ストレス耐性)も併せて評価できる点です。具体的には以下の領域を一括で測定します。

  • 知的能力:言語・論理・数理・推論(一般的な筆記試験分野)
  • EQ能力:自他の感情理解やコントロール力(EQの素養)
  • コンピテンシー:職務上発揮される行動特性(EQが行動に現れている度合い)
  • ストレス耐性:ストレス要因への対処力・現在のストレス状態

受検結果としては、総合スコアや各能力の偏差値はもちろん、面接時の着眼点入社後の育成ポイントまで盛り込んだ詳細なレポートが提供されます。例えば「この候補者は共感力が低めなので、面接では対人経験を深掘りする」といったアドバイスが提示され、人事担当者が結果を実務に活かしやすい工夫がされています。

アドバンテッジインサイトの価格モデルは従量課金で、Web検査の場合1名あたり¥4,840(税込、10名以上から)という単価が公表されています。紙受検も可能ですがその場合若干割高です。結果レポートの基本セットは料金内で提供され、さらに詳細なストレスフィードバックレポートはオプション(1名¥1,210)となっています。多くの適性検査と同様、ある程度まとまった人数での利用が前提の料金体系です。

企業活用の適性という点では、アドバンテッジインサイトは主に新卒採用・中途採用の選考プロセスで威力を発揮します。学力やスキルだけでなく「人間力」や「コミュ力」を評価したい企業にとって、有力なツールです。実際、「ヒューマンスキルの高い人材を見極めたい」「メンタル不調になりにくい人材を採りたい」といった課題に応える検査として提案されています。さらに、検査結果をもとに内定者フォローや入社後の配属・育成計画に繋げることも可能です。例えばストレス耐性が低いと判定された新入社員に対してはメンタルヘルス研修を厚めにするといった対応策を講じやすくなります。総じて、アドバンテッジインサイトは採用場面でのリスクヘッジとマッチング最適化に特化したサービスであり、近年の内定辞退防止や早期離職対策の流れの中で注目度が高まっています。

Arealme「EQテスト」

Arealmeは海外発のクイズサイトですが、日本語版ページにて無料の「EQ測定」テストを公開しています。10問程度のシンプルな質問に直感的に答えるだけでスコアが表示されるお遊び要素の強い診断で、ダニエル・ゴールマン博士が作成した設問に基づくと紹介されています。回答者のEQスコア(心の知能指数)を満点200・平均100の尺度で算出し、自分のEQの高さを手軽に知ることができます。結果は「あなたのEQは○○点です」と数値が示されるだけで、詳細なフィードバックや分析レポートは特にありません。

このテストの位置付けは完全に個人向けの簡易チェックであり、ビジネス用途での信頼性や実績はありません。Arealmeサイト自体が性格診断やゲーム的コンテンツを多数掲載している娯楽サイトのため、HRテックの正式なアセスメントツールとしては位置づけられていません。したがって、企業が人材評価や研修に使うには不適です。ただし、「社内イベントで楽しみながら自己理解を促す」程度であれば利用価値はあるかもしれません。例えば新入社員研修のアイスブレイクで受検してもらい、EQの概念紹介のきっかけにする、といった軽い用途には使えるでしょう。いずれにせよ、ArealmeのEQテストはエンタメ性が主であり、科学的な妥当性や検査精度は保証されない点を留意する必要があります。

まとめ

以上、主要なEQテストサービスについて比較・解説しました。総括すると、無料の簡易テスト(シーズの無料版やArealme等)は手軽に試せる反面、企業での本格的活用には情報量や信頼性が不足します。一方、従来型のEQ検査(EQI行動特性検査やJapan EQ)は実績に裏打ちされた信頼性があり、採用から研修まで幅広く使えますが、導入コストがそれなりにかかり専門的なフィードバックも必要です。また採用特化型のアドバンテッジインサイトは、現代の採用ニーズ(ヒューマンスキル重視・早期離職防止)にマッチした実用的ツールとして評価できます。最後に、ZenTestのような新興サービスはAI活用による効率化・高機能化が魅力で、今後企業人事にとって有力な選択肢となり得るでしょう。それぞれのサービスの強みを踏まえ、自社の目的(採用選考なのか現有社員の育成なのか等)や予算に応じて、適切なEQテストを選定・活用することが重要です。

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Zen X株式会社では、EQ測定を含む包括的なタレントアセスメントツール「ZenTest」を提供しています。スキル・行動特性・EQなどを多面的に可視化し、採用判断の精度向上を支援します。また、採用戦略の設計から実務代行まで対応する「ZenStrategy」により、採用プロセス全体の最適化も可能です。採用でお悩みの企業様は、ぜひ一度無料相談をご活用ください。

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